私が結んだはちまきを見て、晴海は「みんなにばれるかもな」と他人事みたいに言う。
でも、別に、周りにばれてもいい。
晴海にだけ、この気持ちがばれなければ、それで十分だと思った。
結局、なんでこれを罰ゲームにしたのか聞きそびれてしまい、聞きそびれたというか、聞けなかったのが正しい。
晴海は私の結んだはちまきをじっと見て、「やばい。頑張れる」って、少しだけ意味ありげに言う。
今回の判定は――思わせぶり、でいいんだと思う。
でも、晴海。
私の方が、もっと頑張れる。
私の方が、力もらってるよ。
ポニーテールの根元に、ほんの少しだけ重みを感じていると、「お互い、頑張ろうな」って、晴海が拳を差し出してきた。
「なにそれ、部活?」
そう笑いながら、私も拳を伸ばす。
コツン、と軽い音。
晴海はいつもの調子で笑って、何でもないみたいに言う。
「夏井のこと、見てるよ」
その瞬間、世界が弾けた。



