「貸して」
「ん?」
オレンジジュースが、晴海の手元に戻る。
そしてキャップを開けて、私に差し出された。
不覚にも、それだけで胸が鳴る。
収まれ、と思いながら、「ありがと」と笑ってみせた。
ふたりで、自販機の隣の柱にもたれながら、外の風を浴びてジュースを飲む。
何も話さないけど、落ち着かない。
“ふたり”でいることが、どうも苦手だと思った。
「…あ、ちなみにこれ罰ゲームね」
「えっ、どこが罰ゲームなの!?」
「俺とふたりが罰ゲームだろ」
前言撤回。
“ふたり”が苦手なんて、もう二度と言わない。
「罰ゲームじゃないよ」
そう言うと、それはよかった、って。「
「じゃあ、ほんとの罰ゲーム言ってもいい?」
ほんとの罰ゲーム…って。
この状況で?と思いながら、「いいよ」と答えると、晴海は嬉しそうに口角をあげた。
その顔が新鮮で、まるでいたずらっ子みたいな晴海にトキメク。



