思わせぶりだなんて、思ってごめん。結局は、私が晴海をそういう目で見てしまっているから、そう思ってしまうんだと思う。
今の、この顔は、私だけのものだし。なんて。
「卓球したい人、手挙げて~」
体育委員の声に、そっと右手を持ち上げる。
見回すと、思った以上に手が並んでいて、思わず心の中で首をかしげた。
卓球って、こんなに人気だったっけ。
窓の外では、蝉が一斉に鳴き始めている。
話し合いの末、私と緑を含めた四人が譲ることになった。
「諦めて外にするか~」
緑がそう言うから、「私、外がいいな」と返しただけなのに、「どうせ晴海でしょ?」なんて、軽く笑われた。
心外だ。いつも晴海ばかりを見てるわけじゃないってば。
席に戻ると、晴海が何でもない顔で話しかけてくる。
「どうなったの?」
「他のにしようかな」
「譲ったんだ?」
「……外がいいかなとも、思ってたし」
「優しいね」
優しいね?優しいねって。



