青に溶ける、きみ。




朝の小テストは曜日ごとに教科が違って、月・水・金は数学、火・木は古典。

隣同士で採点し合うから、いつも私がぎりぎりで点数を上回るくらい。

だから、午前中の体育の時間は、きっと晴海にとって小さな天国みたいな時間なんだろうな、とふと思う。



「夏井、問3わかる?」

「合ってるか分かんないけど」

「全然大丈夫。ありがと」



ノートをそっと渡すと、先生にばれないように身を寄せる距離が、少しだけ近くなる。

この授業中の、ひそひそとしたやり取りが、なぜか心地よい。


まるで、世界の中で私だけの晴海みたいで、二人だけの小さな空間にいるような錯覚さえ覚える。


そんなこと、現実にはありえないのに、そう感じてしまう。




結局、私の答えは合っていて、晴海はまるで命拾いをしたみたいに授業を終える。



「夏井が隣で助かった」



何気なく口にしたその言葉が、教室を出て行った後も、私の胸の中で小さな宝物のように輝いている。

晴海は知らないだろうけど。


字をきれいに書き直してよかった――心の底からそう思う。