「ありがとうございました」
そう言って保健室を出ると、もう体育の授業は終わったらしく、クラスメイトたちが体育館の更衣室へ向かっていくのが見えた。
「おーい、大丈夫―?」
群れの中から手を振る緑を見つけて、少し早足になる。
「でっかい絆創膏だなー」
「ちょっと大きいよね」
緑とクスクス笑っていると、後ろから声が飛んできた。
「え、怪我したの?」
びくっと肩が上がる。
不意打ちは、やめてほしい。
心臓を落ち着けようと振り向くと、私の膝を見て目を大きく見開いた晴海が、しゃがんでまで凝視している。
「大丈夫!?」
少したじろぎながらも、「だ、大丈夫、大丈夫」と答える。
でも、それよりも――
心臓が、大丈夫じゃないよ。



