ピリオド

コンコンコン。

控え室をノックして「失礼します」と言う。ドアを開けると降谷管理官とその奥様ーーーいや、お義父さんとお義母さんがニコニコと笑っていた。そして部屋の中央には、ウェディングドレスを着た心春ちゃんがいる。

「総司くん！うちの娘をよろしくね」

「しっかり躾けてきちんとした嫁にしてやってくれ」

お義父さんとお義母さんの言葉を笑って流し、僕は心春ちゃんに近付く。心春ちゃんの顔に笑みはない。目も合わない。だけど、とても綺麗だと思った。

「心春さん。とても綺麗です」

思ったままの言葉を言う。心春ちゃんとは目が合わないまま。だけど小さく「ありがとうございます」という言葉が聞こえた。

（幸せにする）

そう決意した。