バタフライ エフェクト

「あなたの思うようにはならないよ」

「は?」



元寄が私を睨む。

慌てて、蝶々のヘアピンを目の前にかざして、自分の身を守った。

元寄は慌てふためき、がくがくと震え、両手で頭を抱えた。



「……ねぇ、なんで蝶々が苦手なの?」



自分で尋ねておいて、どうして質問したのかはわからなかった。

ただ、この薄暗い空間で沈黙していることにさえ、怖い気持ちが膨張していく気がする。



「……子どもの頃、虫とりってしたことがあるか?」

「いや、あんまりその経験はないよ」

「俺は昆虫が大好きな子どもだった。蝶々だって捕まえていた」

「うん」



元寄はそこで、苦虫を噛み潰したような顔になった。



「いつものように蝶々を捕まえたある日、キレイな羽を眺めるために、虫かごから出したんだ。手の中にいる蝶々はキレイだった」

「うん」

「でも、羽に夢中になっていて、足元を見ていなかった。俺はそのまま転んだんだ」