バタフライ エフェクト

「帰ろう!!」
と、私はみんなに声をかけた。



「みんなは帰っていいよ」



そう言ったのは、梨々愛だった。

怒りがおさまらず、まだ目が据わっている。



「いやいやいや、置いていけないでしょ!!」
と、知穂。



「私、この幽霊、殺すから」

「ダメだって!」

「そうだよ!! 幽霊殺すとか、そんなん出来っこないって!!」



私と知穂が必死で梨々愛を説得しようとしていたら、芹香がこう言った。



「私、帰りたい!! 持ち上げてよ!!」

「えっ」
と、戸惑ってしまう。



芹香が自己中心的ともとれる自己主張をするなんて、初めてだったから。



でも知穂は何か気づいたのか、ハッとした表情をして、芹香を抱っこするように持ち上げた。

穴に手が届いた芹香は、この空間から無事にランドリールームに帰った。

そして穴から顔を出して、
「早く、梨々愛を抱っこして持ち上げて!!」
と、言った。



(そういうことだったんだ)



芹香の行動の意味がわかって、私は知穂と頷き、梨々愛の体を二人で持ち上げる。