バタフライ エフェクト

「うざ」



シラけた目をする梨々愛。



「梨々愛のやつ、どうしちゃったの? なんでこんなに強気なの?」
と、知穂が小声で聞いてくるのに対して、私も小声でこう返す。



「色々とあって、ブチ切れ状態なんだよ」

「何、色々って……」

「いや、色々だよ」



知穂と私がぼそぼそと話している後ろで、芹香は恐怖で私達に隠れている。

元寄がそんな芹香に気づいて、
「おい」
と、声をかけた。



びくっと芹香の肩が揺れる。



「お前だよ、どうして隠れているんだ」



元寄が芹香に手を伸ばそうとした。

その手をめがけて、梨々愛が何かを振り下ろした。



ゴツッ!!



嫌な音がする。

凶器の彫刻像だった。

元寄はそれを見たからなのか、痛みからなのか、
「わぁあっ!!」
と、叫んだ。



「へぇ、意外。幽霊でも痛みって感じるんだ?」

「何をするんだよ、香菜子ぉっ!!」

「香菜子じゃないって言ってるでしょ? 私はあんたに傷つけられた女の子の、ただのお姉ちゃんだよ」