バタフライ エフェクト

そして芹香の短くなった髪を撫でて、
「私が(かたき)をとるからね」
と、微笑んだ。



「絶対にみんなで元の世界に帰ろう」




そう言うと、みんなも無言で頷いた。




……ガタガタと音がする。

芹香の体が震えだした。



「あ、あの男が来る……」

「大丈夫、私が守るからね」



声をかけると、芹香は「うん」と涙を拭いた。



「……香菜子……、香菜子……!!」



低い、しゃがれた声がした。

目をこらすと、暗闇の向こうで動いているものが見えた。

元寄が、獣のように四つん這いでゆっくりこちらに来る。



「ひっ!」
と、知穂の短い悲鳴。



強がっていたけれど、その異様な光景に私も心臓が縮む思いだった。



「香菜子……、俺の香菜子……」



元寄の幽霊が囁く声に、
「香菜子はいないよ」
と、梨々愛が言い放つ。



「どんなに探しても、香菜子はいない」

「……嘘だ、香菜子は……、香菜子はどこだぁ……」