バタフライ エフェクト

「ゆ、紫?」
と、懐かしい声が聞こえた。



振り向くと、知穂がいた。



「知穂!!」

「助けに来てくれたの!?」

「うん、頑張ってここから出ようね!! 芹香は!?」



知穂の表情が曇った。



「えっ、どうしたの? 芹香も無事でしょう?」

「……芹香は……、あの男に髪の毛を切られて……」

「!!」



知穂が泣き出し、私は彼女を抱きしめた。



「芹香のところに連れて行って」

「うん……」



知穂が少し歩いて、芹香の所まで連れて行ってくれた。



「芹香」



暗闇で、ぼうっと座っている彼女の名前を呼ぶと、芹香はうつろな目を私に向けた。



「遅くなってごめん」



芹香の目から涙がこぼれた。



「女の子がいた……、多分、心音ちゃんだと思う」
と、芹香が言った。



「うん」

「この空間、時々空に穴が見えるの。そこから逃げられると思って、知穂とその子を抱っこして……」



「ありがとう、心音は帰って来たよ」
と、芹香に梨々愛が頭を下げた。