バタフライ エフェクト

「高中、心音が落ち着くようにお茶か何かを用意してくれない?」

「かしこまりました」



心音ちゃんを抱きしめたまま、梨々愛は私を見た。



「紫……、元寄の幽霊って呼び出せるのかな?」

「えっ、なんで……」



なんでそんなことを聞くのと、言いかけてやめた。

梨々愛の瞳が、怒りと憎しみで溢れていたから。







心音ちゃんは高中さんが用意した紅茶とクッキーなどのお菓子を目の前にしても、口をつけようともしなかった。

泣き止んだから、少し落ち着いたのかと思ったけれど、ただぼうっと目の前を眺めていて、顔色も悪い。

そして時折、自分の髪の毛を確かめるように撫でていた。



「何があったの、心音」
と、梨々愛が問うても、心音ちゃんは答えない。



梨々愛とは違うすっきりした切れ長の目から、時々大きな涙の粒がボロっと落ちる。



梨々愛は高中さんに心音ちゃんを任せて、私と共に梨々愛の部屋に移動した。