バタフライ エフェクト

「知らないの? 純也は、江原田さんの息子よ。江原田 純也」

「えっ!?」

「あなた達は知っていて、ここに来たんだと思っていたわ」

「いえ、知りませんでした……」



確か、江原田さんは息子のことをこう言っていた。



『……息子がひとりいるのですが、ずいぶん前に遠い所へ行ってしまって』



遠い所とは、自分の手の届かないような世界に、純也が行ってしまったということなんだろうか?

それは刑務所のことかもしれないし、あるいは人の道から外れたことかもしれない。



「やっぱり江原田さんは、元寄を知っているってことだよね?」
と、梨々愛に話す。



「知らないって言っていたけれど、知っている可能性のほうが高いね」



息子の友達なら、名前を聞いているかもしれない。

それも行方不明になった友達なら、当時、騒がれていたのだろうし、何かの記事になっていたら、その名前を目にしたことだってあるはずだ。