バタフライ エフェクト

草一郎は死体をランドリールームの床下収納に隠すように言いつけた。



「ランドリールームに床下収納なんてありましたか?」
と、梨々愛。



「あったけれど、父が二度と開けられないようにした」



野村が何日もかけて、床下収納に死体をどうにか隠した。



「どうやったのかは、私は知らない。だけど夏になると嫌な匂いが漂ってくる気がして、すごく嫌だった」



母親の絹代(きぬよ)と葉子には、事件のことは言わないと、草一郎は香菜子に言って聞かせた。



『つらくても悲しくても、お前がやったことは取り返しのつかない、人として最低の行いなんだと、決して忘れないでくれ』



草一郎は香菜子のしでかした事件を、見事に隠蔽(いんぺい)した。



その後、野村は精神的にまいってしまい、仕事を辞めて遠い場所へひとりひっそりと引っ越したけれど、自責の念からか、(みずか)ら命を絶った。