バタフライ エフェクト

「“ちょうちょ館”に住んでんの!?」



知穂は、目が飛び出しそうなくらいに驚いている。



「えっ……、うん。小学校卒業と同時にここに引っ越してきたから。ねぇ、“ちょうちょ館”って何?」

「知らないの? 有名なお化けやし……」

「あー! えっと、蝶々がモチーフの銅像があるんでしょ!?」
と、慌てて知穂の言葉を遮り、芹香がキョロキョロと辺りを見回す。



「たくさんあるよ。ほら、庭にも蝶々と女神の銅像」

「それだから、“ちょうちょ館”ってここら辺では呼んでて。大きなお屋敷だから、有名なの!」

「へぇ……」



村山 梨々愛は納得のいかない顔のまま、「とにかく入って」と、玄関前に立った。

ベルを鳴らすと、ドラマで見るような執事風の、スーツ姿の初老の男性が扉を開けて、
「梨々愛お嬢様、お帰りなさいませ」
と、頭を下げた。



「ただいま。今日は学校の人を呼んだの。沢渡さんと、そのお友達ふたり」