バタフライ エフェクト

林堂 香菜子は話すこともつらそうだけれど、痩せた顔は厳しく、目は鋭かった。



「私、あなたが使っていた部屋を、今使っているんです」

「……」

「クローゼットの『kanako』の引き出しを見つけました。凶器が出てきたんです」



林堂 香菜子の眉が、ピクッと動いた。

病室の窓の外を見つめている。

暖かな日差しが、林堂 香菜子の痩せた頬を照らす。



「録音テープ……。広樹(ひろき)のものね」

「広樹?」

「弟よ。もうこの世にはいないけれど」



林堂 香菜子は私と梨々愛を順番にゆっくり見つめ、ベッドから上半身を起こした。



「あなた達、元寄のことを聞いて何がしたいの?」

「妹を助けたいんです」



梨々愛は即答した。



「友達も!」
と、私は慌てて付け加える。



林堂 香菜子の表情が更に険しくなった。



「何があったの?」

「連れて行かれたんです。……男の幽霊に。その幽霊は、元寄だと思うんです」

「!」