そうか。
どこの誰だかわからない人を通すわけにはいかないのかもしれない。
「私達は……」
と、もごもごと戸惑っていると、病棟内からひょこっと顔を出したおばあさんがこう言った。
「親戚の子だって聞いているよ」
「えっ」とさらに戸惑ってしまう。
でもおばあさんは、
「おいで、林堂さんが待っているから」
と、こちらへ来て、梨々愛の手を引っ張った。
「あっ、ちょっと! 小松さん!」
受付の人は慌てたようだったけれど、小松と呼ばれたおばあちゃんは、
「大丈夫、あの受付の人は仕事を増やしたくないから、黙っているよ」
と、ガハハハと笑った。
「でも、あの、なんで?」
小松さんの歩調に合わせて、私達はゆっくり階段を上がる。
「私はね、林堂さんと話す仲なんだよ。あの人は無口だけど、良い人なんだ」
「え?」
「でも誰も訪ねてきやしない。寂しいじゃないか。……あんた達が何者なのかはわからないけれど、お客さんが来る喜びを、林堂さんに一度でいいから味わって欲しかったんだよ」
どこの誰だかわからない人を通すわけにはいかないのかもしれない。
「私達は……」
と、もごもごと戸惑っていると、病棟内からひょこっと顔を出したおばあさんがこう言った。
「親戚の子だって聞いているよ」
「えっ」とさらに戸惑ってしまう。
でもおばあさんは、
「おいで、林堂さんが待っているから」
と、こちらへ来て、梨々愛の手を引っ張った。
「あっ、ちょっと! 小松さん!」
受付の人は慌てたようだったけれど、小松と呼ばれたおばあちゃんは、
「大丈夫、あの受付の人は仕事を増やしたくないから、黙っているよ」
と、ガハハハと笑った。
「でも、あの、なんで?」
小松さんの歩調に合わせて、私達はゆっくり階段を上がる。
「私はね、林堂さんと話す仲なんだよ。あの人は無口だけど、良い人なんだ」
「え?」
「でも誰も訪ねてきやしない。寂しいじゃないか。……あんた達が何者なのかはわからないけれど、お客さんが来る喜びを、林堂さんに一度でいいから味わって欲しかったんだよ」



