バタフライ エフェクト

「覚えていない?」

「……えっ、あっ! そうだ!!」



元寄と一緒に写っていた女の人二人の内の一人が、確かに『kanako』だった。



「林堂 香菜子……!!」



四十一年前の写真に、十五歳だった彼女は、短いショートヘアで、仏頂面で写っていた。



「パパに聞いたの。私達の前に住んでいた人って誰って」

「うん、誰だって?」

「林堂一家だってパパは言っていた。二十年以上空き家だったけれど、それは確かだって」

「じゃあ、林堂 香菜子は……!」

「そう、この部屋を使っていた可能性が高い」



にわかに心臓が、ドキドキと存在を主張している。



「ねぇ、それでこの落書きのところ。何か気づかない?」

「……あっ!」



よく見ると落書きの周りに、四角形のラインがある。



「引き出しみたいになっているんだと思う」
と、梨々愛がちょうど名前の位置を軽く押した。



キイッと音を立てて、引き出し部分が少しだけ出て来た。