バタフライ エフェクト

私は、
「出来ない」
と、正直に言う。



頼まれ事の規模が自分の許容範囲を超えていて、解決出来る気がしない。



「妹……、心音(ここね)は男を見たって言っていた。お願い、犯人を探してよ。心音のことを助けてよ」

「男? 犯人って……。行方不明になったって言ってたけれど、それってもう事件じゃない? 警察に届けるべきだよ」

「それが出来ないから、あなたにお願いしているんじゃない」

「……?」



村山 梨々愛は苛立つ様子を隠さず、
「協力するの? しないの?」
と、私を睨んだ。



「あ〜、はいはい。そんな言い方しても、この子の心は動かないよー」



声がして振り向くと、こちらに向かって二人が歩いて来た。



知穂(ちほ)芹香(せりか)もいたんだ?」

「何事かなって思ってさ」
と、知穂は村山 梨々愛をじっと見た。



「ちょっと後をつけてきちゃった」
なんて言って、芹香は舌を出してから、
「紫、引き受けてあげたら?」
と、ニコニコ笑う。



「えっ?」

「……困ってそうだし、妹さんを探すことを手伝ってあげてもいいんじゃん?」