バタフライ エフェクト

人があまり居ない渡り廊下で、彼女は村山 梨々愛(むらやま りりあ)だと名乗った。

お人形みたいに、整ったキレイな顔立ちの人だと思った。

美しくて長い髪の毛に、繊細な作りの蝶々のヘアピンを付けている。


何組かと尋ねると、「八組」と素っ気なく答える。



「私に何か用事?」

「探してほしい人がいるの」

「?」

「沢渡さんって、頭良いんでしょう? 難関高校に通っているきょうだいもいるって話だよね?」



私は内心うんざりしながら、
「きょうだいが賢いからって、私まで賢いとは限らないから」
と、釘を刺すつもりで伝える。



「どうでもいい。とにかく、あなたに頼みたいの」
なんて、村山 梨々愛はため息を吐いた。




「……妹が、行方知れずで……」



「えっ?」

「消えたの。それも、私の目の前で」

「えっ!?」

「ちゃんと話すから、妹探しに協力してくれない?」



村山 梨々愛は私をまっすぐに見た。

その視線が私の両目を刺すように尖った、きついもののように感じる。

思わず、視線を()らせてしまった。



「どう? 協力してくれるよね?」