バタフライ エフェクト

「知穂!?」

「やば、やばいよ……!! やばいって!! あ、あの男……」
と、震える声で知穂は続ける。



「……あの男、なんでかわかんないけど、体が()けてた……! それに血まみれだった……!」

「えっ……」

「変なことを言っているとは思うけど……」

「…………」



「……多分あの男、幽霊だよっ」



「まさか」
と言ったのは、梨々愛だった。



「まさか、そんなことあるわけない。幽霊なんて、この世にいないもん」

「梨々愛は見ていないから、そんなふうに言えるんだよ」
と、知穂に代わって反論した芹香の声に、涙が混じっているように感じた。



「バカバカしい! ちゃんと心音を探してくれるって思っていたのに!! あんた達、ちっとも役に立たないじゃない!!」



梨々愛がランドリールームを出て行こうとした。

私は、梨々愛を止めようとして手を伸ばし、手首のあたりを掴む。


「待ってよ、知穂も芹香も嘘をつくような人じゃない」