バタフライ エフェクト

梨々愛が少しだけ笑顔を見せた。



「痩せていて、梨々愛の肩くらいの身長ってことは、大人の男なら抱えて運べる……?」

「あ、うん。そうかも。この間心音が冗談で、パパにおんぶしてもらってた」

「おんぶ?」

「そう。『私はもう大きいから、おんぶなんて出来ないでしょ』って言い張って。でもパパが簡単におんぶしちゃったから、キャーキャー言ってた」



(ということは、やっぱり……)



簡単に運べてしまう体格なんだ。

そうすると、この“ちょうちょ館”の中にはいないかもしれない。

連れ出されている可能性も、十分にある。



「警察に届けるのは、そんなに難しいの?」
と、私が尋ねると、梨々愛はうんざりした顔になった。



「だから、パパがダメって言うから……」

「でも、娘が失踪しているんだし……。これは明らかに事件だよ」

「届けられるなら、はじめからそうしてるって!」
と、梨々愛がまた大声を出した。