バタフライ エフェクト

リーンリーンリーン…………。



虫の声が耳障りだと思った。

両手があいつの血で真っ赤に染まっている。

肩で息をしつつ、窓の外に広がる闇夜に目を向けた。



何の光もない。

暗い夜空。



「あは、あはははっ」



笑ってしまう。

だけど視界がぼやけていて、あぁ、泣いているんだと思った。



どうしてだろう?

こんなにも晴れやかな気持ちなのに、足元を掴まれて引きずり込まれそうな不安が拭えない。



行く先はきっと、こんな空みたいな闇だ。




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「ねぇ、沢渡 紫(さわたり ゆかり)さんっている?」



昼休み、自分の名前が聞こえた。

B市立B中学校の、二年三組の教室の開け放しのドアの前に立つ彼女に、私は手を挙げてこう言った。



「私が沢渡です。何か私に用事ですか?」



彼女は尋ねた相手に向かって「ありがとう、見つけた」とお礼を言ってから、今度は私を見て、
「ちょっと話したいから、来てくれない?」
と、手招きする。