晴れのち雨。運命の人に出会うでしょう




電車に揺られ、蘭は図書館と祖父母の家がある隣町へとやってきた。蘭の住む街はビルや建物が多いのだが、隣町は田園風景が広がっているところが多い。

「先におじいちゃんの家に寄ろうかな」

駅からバスに乗り、祖父母の家を目指す。駅からバスで十五分のところに祖父母の家はある。蘭は家に到着すると玄関のチャイムを鳴らした。

「おばあちゃん。蘭だけど」

「蘭ちゃん!いらっしゃい。入って入って」

祖父は仕事で家にいなかったものの、祖母が笑顔で出迎えてくれた。家の中に招かれ、お茶を出してもらう。それを飲んで蘭は口を開いた。

「おばあちゃん。渡したいものがあるって聞いたんだけど」

「これよ。この前、町内会のみんなで温泉に行ってね」

祖母から渡されたのは旅行のお土産だった。蘭はお礼を言って受け取る。それから祖母と他愛もない話をし、蘭は家を出た。

「図書館に行かなくちゃ!」

バス停に向かい、次のバスが来るのがいつか時刻表を確認する。すると、バスはさっき通り過ぎてしまったことがわかった。次にバスがここに来るのは一時間後だ。