晴れのち雨。運命の人に出会うでしょう

クラス分けをした教師陣に軽い恨みを覚えながら蘭は窓の外を見る。分厚い灰色の雲に空は覆われていた。



金曜日を乗り越え、待ちに待った休日がやってきた。学校では彰が騒いでいるため、静かに過ごせる休日が蘭にとっての救いだった。少し早く起きて勉強をし、朝ご飯を食べるために一階のリビングへと降りる。

「おはよう」

リビングのテーブルにはすでに朝ご飯が並んでおり、両親と妹の凛(りん)はテレビを見ながら食事中だった。

「おはよう。味噌汁は自分でお椀に入れてね」

母に言われ、蘭は「は〜い」と返事をしてキッチンへと向かう。リビングの中にキッチンがあるため、テレビの音が蘭の耳に聞こえてくる。

『今日のラッキー星座を占っていきましょう!』

怪しげな音楽が流れている。蘭は占いに興味はない。しかし凛は占いが大好きで、番組の占いコーナーをいつも真剣に見ている。

「今日こそ射手座来い!射手座来い!」

蘭は呆れながらテレビ画面を見た。ベールを被った怪しげな占い師が水晶を見ている。占い師の目がカッと見開かれた。

『見えました!本日のラッキー星座は牡牛座!運命の人に出会います。運命の人の星座は乙女座です』