カモフラなのに溺愛されても困ります!

「もしかして、合わせてくれた?」

「えっ?!あ、ち、違います!ぐ、偶然です!」


慌てて全力で否定したけれど、彼は微笑むだけ。

……偶然って言葉は通用しないよね。

だって、着替える前に彼の服装を見ているんだもの。

ただ、全くもって覚えていなかった。

彼が現れた事、花束に気を取られた事で、彼の服装なんて全く記憶に残らなかったから!

もうーっ!何やってんの、私……っ!

なめられないように、精いっぱいのおしゃれをしたのに、やってしまった……。


「では、改めて。どうぞ?」

「……あ、はい」


彼が車の後部座席のドアを開けて、エスコートしてくれる。

気後れしながら私は乗り込んだ。

おじいちゃんの車もすごいけど、この車はもっとすごいかも。

座り心地がかなりいい。

小さな子どもみたいに、ソワソワしていたら、隣に彼が乗り込んできて、バタンとドアが閉まった。

……え、近いんですけどっ!