【SS集】クリスマスに甘い恋を。



「い、い、い、いつ…っ!?」


「んー、まぁ、夏前には?伊月ってわかりやすいよね。かわいいくらいバレバレだったよ」


「なっ!?」




 そんなに早くからわたしの気持ちってバレてたの!?

 そしてなんで夜久先輩はそんなにニコニコ笑ってるの!




「ひ、ひどいですっ!」


「ごめんごめん。でもほら、ちゃんと後輩としてかわいがってたでしょ?」


「それは…っ。~~っ、それでもひどいです!」


「じゃ、これで許して?」




 夜久先輩はクスッと笑って、目を()せた。

 なにをしようとしてるのかと、警戒(けいかい)しているわたしに訪れたのは、唇へのやわらかい感触。

 その瞬間、わたしは“思考停止”というものを初めてちゃんと体験した。




「好きだよ、星乃。これから先も、彼女として俺のそばにいて欲しい」


「…」