【SS集】クリスマスに甘い恋を。



「…“終わり”って、さみしいですね」


「ん?」


「ずっと、そこにいて欲しいのに。どうしてわたし、1年しか一緒にいられないんだろう…」




 明るく輝くベテルギウスに夜久先輩を重ねてしまって、せっかくの天体観測なのに、胸がギュウッと()めつけられた。




「…それ、俺のこと?」


「え。あっ、そ、そのっ、今のは…っ!」




 夜久先輩に聞き返されて、とんでもないことを口に出してしまったと気付く。

 あわてて、パッと顔を上げ、手をあたふたと動かしながら夜久先輩の顔を見ると。




「俺も、たった1年じゃ足りないよ」




 夜久先輩はやさしくほほえんで、わたしのほおに手を伸ばしてきた。

 触れた場所から熱くなっていくみたいに、ほおがじゅわりと熱を持つ。