【SS集】クリスマスに甘い恋を。



「その子、ネコじゃなくて人間だから」


「いいじゃん。自分で自分の面倒見れるし、飼いやすそう」


「いやいやいや」


「発言がアウトっす、総長」




 そういえばたくさん人がいるんだった、と思い出して、泣いてる姿を見られたことが はずかしくなると同時に、すこし気が抜ける。

 音無さんって、ふしぎな人だなぁ…。


 ここにいる人たちも仲がよさそうだと、他人事のように思っていたら、音無さんが私に顔を向けた。




「きみの気持ちは?ちゃんとかわいがってあげるよ」


「え…」




 わ、私の、気持ち…?

 もしかして、“飼う”ことについて聞かれてるのかな、とどぎまぎしてしまう。

 私、一応人間なんだけど…でも、それは音無さんもちゃんとわかってるみたいだし。