「その子、ネコじゃなくて人間だから」
「いいじゃん。自分で自分の面倒見れるし、飼いやすそう」
「いやいやいや」
「発言がアウトっす、総長」
そういえばたくさん人がいるんだった、と思い出して、泣いてる姿を見られたことが はずかしくなると同時に、すこし気が抜ける。
音無さんって、ふしぎな人だなぁ…。
ここにいる人たちも仲がよさそうだと、他人事のように思っていたら、音無さんが私に顔を向けた。
「きみの気持ちは?ちゃんとかわいがってあげるよ」
「え…」
わ、私の、気持ち…?
もしかして、“飼う”ことについて聞かれてるのかな、とどぎまぎしてしまう。
私、一応人間なんだけど…でも、それは音無さんもちゃんとわかってるみたいだし。



