“音無総長”…金髪の人にも、総長って呼ばれてたよね。
ここにいる不良の人たちの、リーダー…みたいな存在なのかな。
“音無”さんに貸してもらったフリースを肩にかけながら、私はチラリと、対面をうかがった。
総長と呼ばれている彼は…マグカップを持ち上げて、コクコクとココアを飲んでいる。
「…で、なにしてたの?あんなとこで、そんな格好で」
「え、と…」
マグカップをテーブルに置いて、音無さんは眠そうに見えるたれ目を私に向けた。
思わず言葉に詰まり、体を縮めながらうつむく。
しん、と痛いほどの沈黙が店内を満たして、私を刺すようだった。
「…僕ね、人に待たされるのきらいだから。このココアを飲み終わるまでだよ、きみのこと待ってあげられるの」
ここにいる不良の人たちの、リーダー…みたいな存在なのかな。
“音無”さんに貸してもらったフリースを肩にかけながら、私はチラリと、対面をうかがった。
総長と呼ばれている彼は…マグカップを持ち上げて、コクコクとココアを飲んでいる。
「…で、なにしてたの?あんなとこで、そんな格好で」
「え、と…」
マグカップをテーブルに置いて、音無さんは眠そうに見えるたれ目を私に向けた。
思わず言葉に詰まり、体を縮めながらうつむく。
しん、と痛いほどの沈黙が店内を満たして、私を刺すようだった。
「…僕ね、人に待たされるのきらいだから。このココアを飲み終わるまでだよ、きみのこと待ってあげられるの」



