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「はい、どうぞ。あったかいココアだよ」
「あ…ありがとう、ございます…」
容姿のととのったあの人がいたのは、閉店後の喫茶店だったらしい。
温かい空気に、凍え切った体がジンジンとほどけていくのを感じながら、湯気が立つマグカップをただ見下ろす。
テーブル席に降ろされた私の周りには、たくさんの…その、不良っぽい男の人たちがいた。
遠巻きに見られているだけなのは幸いと言えるのかもしれないけれど、ジロジロとした視線を感じて、肩の力を抜くことはできない。
「音無総長もどうぞ」
「ん」
しかも、私の対面には、窓越しに顔を合わせたあの人が座っている。
白い肌が店内の照明に照らされて、目の前にいるのに、画面を見ているような現実感のない美貌が輝いていた。
「はい、どうぞ。あったかいココアだよ」
「あ…ありがとう、ございます…」
容姿のととのったあの人がいたのは、閉店後の喫茶店だったらしい。
温かい空気に、凍え切った体がジンジンとほどけていくのを感じながら、湯気が立つマグカップをただ見下ろす。
テーブル席に降ろされた私の周りには、たくさんの…その、不良っぽい男の人たちがいた。
遠巻きに見られているだけなのは幸いと言えるのかもしれないけれど、ジロジロとした視線を感じて、肩の力を抜くことはできない。
「音無総長もどうぞ」
「ん」
しかも、私の対面には、窓越しに顔を合わせたあの人が座っている。
白い肌が店内の照明に照らされて、目の前にいるのに、画面を見ているような現実感のない美貌が輝いていた。



