でも…!
「あんた」
私はツカツカと“彼氏”だった男に近づいて、もこもこのジャンパーにおおわれた肩をつかんだ。
のんきに振り向いたクズは、私を見るなり顔をこわばらせる。
「告白OKしてあげたのはナシね。今後私の視界に入ったらそのアホ面ひっぱたくから」
「え…?」
「ま、待ってくれ、汐音!」
言いたいことを言って背を向けると、クズは私を呼び止めてきた。
恋人だからと、渋々許してあげた名前呼び。
今は吐き気すら覚えて、眉根を寄せながら振り向く。
「名前で呼ばないで、キモいから」
今さらあせった顔をしているクズと、困惑顔の女子を視界から外して、私はケーキ屋がある商店街のほうへ歩いていった。
コツコツと、ブーツの底がアスファルトをたたく。
「あんた」
私はツカツカと“彼氏”だった男に近づいて、もこもこのジャンパーにおおわれた肩をつかんだ。
のんきに振り向いたクズは、私を見るなり顔をこわばらせる。
「告白OKしてあげたのはナシね。今後私の視界に入ったらそのアホ面ひっぱたくから」
「え…?」
「ま、待ってくれ、汐音!」
言いたいことを言って背を向けると、クズは私を呼び止めてきた。
恋人だからと、渋々許してあげた名前呼び。
今は吐き気すら覚えて、眉根を寄せながら振り向く。
「名前で呼ばないで、キモいから」
今さらあせった顔をしているクズと、困惑顔の女子を視界から外して、私はケーキ屋がある商店街のほうへ歩いていった。
コツコツと、ブーツの底がアスファルトをたたく。



