「えっ、プレゼントくれるんですか?ありがとうございますっ!」
「うん、俺の気持ち。よろこんでもらえたら うれしい」
予約していたクリスマスケーキを受け取りに行く、というおつかい中。
駅前の通りでイチャついてるカップルを見かけて、私は「はぁ?」と思わず低い声をもらした。
クリスマスツリーやサンタの人形、イルミネーションでかざりつけられた街並みが、一瞬にして“うるさい光景”に変わる。
かわいい冬服に身を包んだ見知らぬ女子へ、はにかんで笑いかけているのは、ここ1ヶ月ほど私の“彼氏”ということになっている男。
同学年だから顔くらいは知ってたけど、名前もうろ覚えななか熱烈な告白をされて、しかたなく付き合ってあげた相手だ。
正直、好きとかではまったくない。



