夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

 そう言われてしまっては断れず、手元にあのスピンドルだけが残った。


 
 人気のなくなった神社で、それをゆっくり、ゆっくりと回す。


 彫った跡が残る、木彫りの持ち手が指先によく馴染む。




 その感覚が妙にしっくりと来て、何度も回してみる。


 スピンドルの先には、さっきまでなかった細い糸が何本か縒られていた。


「…………こんな細い糸じゃ、組紐も組めない」


 心が少し、重く感じた。