夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー


 その言葉を最後に、2人して部屋を出る。

 案内した時と同じ道順を辿ると、すぐに境内へと出た。


「お兄様にも、よろしくお伝えください」
「……あ、ああ、うん…」

   
 鳥居をくぐる直前に、渡辺さんは私の方を向いた。



 半ば強引に、スピンドルを握らされる。

 
「でも、これは夢宮さんにあげる」
「…だけど、渡辺さんのお兄様のものって……」
「本当の持ち主じゃなくても、君が持っていた方がいい気がするから」