曖昧になっていく記憶を引き留める代わりに、拳を固く固く握る。
そのまま膝へと戻せば、きっと手の震えにも気づかれない。
凛とした、私の声で。
真っ直ぐに、私の目で。
「私は──雲居夕芽です」
初めから、そうだったでしょう?
「そうだよね。…うん、そうだ。やっぱり人違いかな」
そのまま膝へと戻せば、きっと手の震えにも気づかれない。
凛とした、私の声で。
真っ直ぐに、私の目で。
「私は──雲居夕芽です」
初めから、そうだったでしょう?
「そうだよね。…うん、そうだ。やっぱり人違いかな」



