夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

 小さい女の子だから、今はもう違う顔になってるかも。

 付け足された言葉にそっと頷く。

 
 きっと私じゃない。

 
「確か、何だっけ…。そうだ、天橋さん?って言うらしいんだけど」


 肺に取り込まれた空気が、冷たくて、気持ち悪い。


 なのに、真っ赤な血が勢いよく巡って、体温だけが上がっていく。



 どこからか聞こえる笑い声に、思わず耳を塞ぐ。
  

 
 違う。


 …絶対、違う。




 夕芽じゃない。


「その人、兄の親友の、妹なんだって」