夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

 鞄の中を漁ること数秒。

 その手は、木の枝のようなものを掴んでいた。
 

 よくよく見れば、それは見覚えのある形をしていると気づく。   

 
 色は違うけど、さっきまで、私の手の中にあったものと同じ。



 ……木製の、スピンドルだ。

 
「…っあのね、このスピンドル」


 軸先が回されることなく、私に向けられた。


 ところどころ掘り跡が残ったまま。

 まるで、タイムカプセルの中に置き去りにした心みたいだ。

 
「手作り…ですか?」 
「僕の兄が作ったものでさ」
「お兄様、器用ですね」
「…これ、夢宮さんにあげる」


 一瞬、意味が分からなかった。