夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

『固くなるなって。もっと肩の力抜いてみな』


 またどこかに大きな傷を負ってしまえば、今度はテニスさえも出来なくなるかもしれない。

 先輩たちのことも怪我させてしまうかもしれない。


 ……何度言われても、結局気楽にやることは出来なかった。



 テニスは本気でやろうとは思ってなかったし、大学生の間だけやるくらいのつもりだ。


 だけど、スポーツのことになると、変に力が入ってしまうらしい。



 中途半端じゃ嫌で。

 どうせなら大会で勝てるようになりたくて。



 そのためには、やっぱり「今の僕」は違うのだ。


 
 弱いままでいるのも。

 過去を引きずったままでいるのも。


 どのスポーツもできないのも。
 


 僕には、到底耐えられない。