夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

 少しくらい、テストが上手くいかなくても。
 少しくらい、その点数を友達に笑われても。

 
 “陸、野球で見返せ”

 
 そう言って、親たちは褒めてくれた。
 そうやって、先生は伸ばしてくれた。


 僕には、野球という逃げ場があった。

 

 周りの人間が、簡単には敵わない僕の逃げ場。



 誰も、何も言えない。

 否定できない。




 憧れで、大切で、特別で、存在証明だった。