夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

 たぶん、間違いない。

 
「君が夢宮…さん?」
「はい、私ですけど……あ、夢宮にご用ですか?」


 いくつか年の離れた友人が話していた。



 とある神社に、夢宮と呼ばれる役割の巫女がいる。

 その巫女は、人のトラウマに対して、すごく敏感なのだそうだ。


 自分ではどうしようもないような悩みも、その巫女の手にかかれば一瞬で消え去るとか。



 正直に言って信じがたい話ではあったけど、その友人は変な冗談は言わない奴だ。


 
 それに、あたかも巫女のことを知っているような口調だった。

 詳しく聞けば見た目のことは話すのに、その性格には一切触れようとしたがらなかった。


 そして少し嬉しそうに話しやがる。



 …おそらく、その夢宮の巫女に、友人は惚れているのだろう。
 

 あの友人が好きになるような相手だ。

 どんな人か気になったのもあり、ものは試しにとここを訪ねてみたのだ。


「少し冷えてきましたし、中に入りませんか?」