夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

「おかあさんが作るなら、私、何でもいいよ」


 私のために時間を割いてくれるのなら、私は何だってそれを美味しく食べるよ。

 それに、おかあさんは料理上手で、作ってくれるものも本格的だし。



 だからね、おかあさんの料理、好きだよ。


「本当にそれでいいの、夕芽ちゃん」
「うん」

 
 それがいいの。


 …私は今、上手く笑えているだろうか。

 この状況を変えたいと願う口で、また嘘をついてしまった。



 だって、おかあさんには作れないから。

 誰にも作れないから。





 …………ああ、焦げついた炒飯が食べたい。