夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

 自分の肩に触れてみたけど、やっぱりそこに傷はなかった。

 一体、あれはなんだったんだろう。




 ちょっと肩を回してみたり、正座でしびれた足をほぐしたりしていると、ふと、違和感の正体に気づく。
 

「あ、あれ? あたし……」


 あたしの耳に入ったのは、いつもよりも低い声だった。


 無意識に入っていた変な力も抜けている。



 ……そうだ、これがあたしの声だ。


 可愛くない。ちゃんと、可愛くない。



 それでも人よりは高いけど、でも、怯えていたあの頃よりはずっと低い。



 あたし、あたし……。

 もしかしたら、また上手く出来るかもしれない。


「それが、……ミサキさんの声なんですね」