夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

 ……え、刀?

 こわい。怖い、怖い怖い怖い。

 か、刀って、あの時代劇とかでよく見る──いや、そんなまさか。



 もう一度夕芽ちゃんを見やっても、やっぱりそれは変わらなかった。


 すらりと音がして、刀身が、鞘の中から顕になる。

 ……あたし、ここで斬られるの?


 思わず後ずさると、夕芽ちゃんがさらに近づく。
 それをしばらく繰り返すと、あたしの後ろには壁しかなくなった。
 

「な、何するつもりなの!」
「ミサキさん、肩の力を抜いてください」


 答えになってない。

 なのに、体は夕芽ちゃんの指示通りに力を抜いた。


 その瞬間を見逃さないかのように、夕芽ちゃんがあたしの肩に刀で触れた。


「うっ……」