夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

 人気のない鳥居の向こうに、声をかけてみる。


「……すみませぇ〜ん」


 妙に甘ったるくて、鬱陶しいあたしの声が響く。


 …やっぱり、嫌い。



 カールしたまつ毛も、天然パーマの茶髪も、すぐに靴擦れしてしまう足も。


 自分ではそんなつもりもないのに、いかにも可愛い子ぶってますって感じ。


「はい」 
 

 静かな神社には誰もいないように見えたのに、奧から小柄な女の子が出てきた。

 巫女装束も相まって、すごく儚げな印象だ。



 ……うわぁ、可愛い。

 
 陽が当たると金髪に見える髪、色素が薄くて綺麗な目、雲のようにおっとりとした雰囲気。

 それなのに凛とした可憐な声。


 どれを取って見ても、嫌味な感じがしない。
 
 

 あたしとは、正反対だ。……羨ましい。