夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

 絞り出すような声で、湊先輩がつぶやく。


 消えてしまいそうなほど小さなそれとは反対に、私を抱きしめる腕にはより強い力が込められた。



 ……寧ろ、謝るのは私の方だ。


 湊先輩を振っておいて。

 こんな暗い話をして。

 受け止めてもらって。



 なのに、私はまだ何も出来ていないのだから。
 
 
「どうして謝るんですか?」
「本当は何か言うつもりだったんだけど、…どれも違くてさ」

 
 慰めようにも、上手い言葉が見つからない。

 同じ人間というわけではないから。


 そう言ってくれた湊先輩に、目の奥がじんと熱くなった。

 
「──だから、好きだとしか言えない」