夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー



 寒い。

 隣にいて欲しい。



 ずっと隠していた本音が、零れ落ちた。

 
「私のこと、抱きしめてくれないんですか?」


 そう言うや否や、湊先輩が私の腕を強く引く。


 倒れ込むような形になった私の体は、湊先輩の胸にすっぽりと収まった。



 湊先輩の鼓動は、私のものと同じ速さで刻まれていて。
 


 温かい。

 というよりは、たぶん、熱い。

 
「…温かいです、湊先輩」
「ごめん、夕芽」