夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー

「たぶん、諦めていないのなんて、私と両親くらいなんです」

 
 私は今でも、心のどこかで兄さんの帰りを待っている。


 そして、兄さんの冤罪の証拠を探し続けている。

 
「……これで、全部です」
「話してくれてありがとう」


 物語みたいには、綺麗じゃない。


 そんな私の話を湊先輩は、最後まで聞いてくれた。


 
 時折、頷きながら。

 時折、優しい目を向けてくれながら。



 兄さんを、犯人だと決めつけなかった。

 私目線の話を、否定しなかった。


 それだけで湊先輩に話したのは間違いじゃないかもしれないって思える。