夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー


 だけど、そんな私の叫びは聞き届けられなくて。


 
 いつの間にか私は、犯罪者の妹になっていた。
 

 町中の人たちからの視線を、心の中で否定した。

 クラスメイトたちからの暴言に、静かに首を振った。


 毎日懲りずにやってくる記者たちのマイクを、力任せに押しのけた。



 でも、世間の兄さんに対する反応は変わらなかった。


 家のポストに罵詈雑言が詰められていた。 
 嫌がらせの電話もかかってきた。
 


 何回も何回も、実名で報道された。


 兄さんの積み上げてきたものを根掘り葉掘り漁る、ドキュメンタリー番組が一番嫌いだった。


『夢乃。叔母さんたちのところで住む気はない?』


 あまりの惨状に、海外にいた両親もついに耐えられなくなったらしい。


 叔母さんたちの家で手伝い──夢宮の修行をしながら暮らすように言われた。 

 でも、住む場所が変わったところで、兄さんに付きまとう悪評は変わってくれない。


 記者たちも、追いかけてくるだろう。