夢宮 ーある少女の悪夢晴祓録ー


 ちょっぴり心配されちゃうかな。

 もうするなって怒られちゃうかな。


 それでもいい。



 今日はなんだか、兄さんの手料理が食べたい。


 お店のみたいに美味しくなくていいから。

 いつもよりも焦げていていいから。



 

 だけど…………。

 私の願いが叶うことはなかった。



 深夜になっても。

 そのまま寝落ちして、朝が来ても。

 
 兄さんの姿は見当たらなかった。



 生まれて初めて、兄さんが帰って来なかった。


『夢乃ちゃん、お兄さん捕まったんだって!?』


 近所のおばさんの言葉で知った。